ひと昔前までは、家庭の防犯対策というと、防犯カメラではなく、センサーライトを屋外に設置し威嚇する対策が主流でした。
ところが最近は、防犯カメラを取り入れる家庭が増えてきています。
なぜ、家庭の防犯対策はセンサーライトではなく、防犯カメラを中心とするようになったのでしょうか。
もちろん、防犯カメラが発達し高機能化したことも1つの理由ではありますが、問題は犯罪傾向が複雑化したところにあると判断することもできます。
それでは具体的に、どのような犯罪にどのような対策が最適なのでしょうか。センサーライトや防犯カメラでの防犯対策を元に解説していきたいと思います。
自転車泥棒にはセンサーライトは効果なし。防犯カメラが必要な犯罪傾向とは
家庭での犯罪に多いのが自転車泥棒です。最近はロードバイクやクロスバイクといった高価な自転車を趣味で乗る人も増えました。しかし、そうした高価な自転車は非常に狙われやすく、犯罪傾向も悪質化しています。
鍵などをつけても簡単に壊されてしまうケースが多く、盗難にあった自転車は分解されて売られてしまうことが大半なので、手元に戻ってくる可能性も限りなく低いというのが現状です。
そこで被害を防止する為、自転車を置いてある場所の付近に、威嚇効果が期待できるセンサーライトを取り付ける方もいます。
イタズラなどの嫌がらせ行為や酔っ払いなどによる突発的な犯行には、十分防犯効果を発揮するセンサーライトですが、最近は犯罪者も自転車が高価であることを知っているケースが多く、計画的に盗みに入る場合が増えてきています。
最近の犯罪傾向では、犯人は前もって下見に現れ、自転車が置かれる時刻や人目がつかない時間帯、どのような防犯対策をしているか把握をします。自転車の盗難は時間をかけず瞬時に犯行に及ぶ場合が大半なので、センサーライトだけでは全く効果を果たさない場合が大半です。
自転車盗難対策にGPS機能をつけて追跡できるような防犯アイテムも販売されていますが、自転車の分解を目的とする犯行にはあまり役に立ちません。
自転車などの防犯対策には、防犯カメラだけが唯一抑止力が高く、証拠を残す機器となるようです。
また、防犯カメラが壊されてしまうなどの場合に備えて、防犯カメラとセンサーライトを併用する方もいます。
例えば防犯カメラが壊されても、近隣の人や持ち主がセンサーライトで異変に気付き盗難を防ぐことができる場合があります。また、防犯カメラの映像がない場合は目撃者の情報が重要な証拠となるので万が一の際もセンサーライトで異変に気付く人がいると安心です。
家庭用の防犯対策というと、簡単に設置できるものや手軽に購入できるものを選びたくなりますが、目的によっては防犯カメラとセンサーカメラを併用してセキュリティを強化していかないと防犯効果が発揮できない場合があります。大切な自転車を守るためにも適切な防犯対策をしていきましょう。
暗闇に弱い防犯カメラをライトで強化しよう
犯罪の多くは、日中や人通りの多い場所ではなく、人目のつかない建物の死角や夜間を狙って発生します。
防犯カメラは威嚇効果があるとはいえ、やはり撮影機器です。暗闇には弱く、セキュリティを強化したい夜間に限って、映像が不明瞭になってしまうことがあります。肝心の夜間犯罪の証拠が確保できないのは困りますよね。
最近は防犯カメラの機能も発達し、夜間でも十分な証拠となる映像を撮影できる機器も増えましたが、そういった高性能の防犯カメラは値段が高く、家庭ではなかなか取り入れづらいこともあります。
中には高機能防犯カメラに買い替えるのではなく、今使用している防犯カメラが少しだけ夜間の映像が見やすくなるだけでも良い、という方もいると思います。
そういった場合はライトを使って夜間の明るさを補っていくと良いでしょう。
ライトには様々な種類があります。防犯カメラの明るさ補助としてライトを
使用する場合は、まず防水対策がされているものを設置するようにしましょう。
また、使用されている電球によって特徴が違うので、設置場所の環境に適しているのはどのタイプかあらかじめ把握しておく必要があります。
ライトに使用される電球の種類は主に3つに分類することができます。
一番リーズナブルなものは白熱電球です。ただし、比較的寿命が短く定期的に交換が必要となります。点灯時は熱を持ち発火の原因となる場合があるので、周囲に燃えやすいものがある環境では使用することができません。
白熱電球に対し発熱性がなく寿命が長いとされている電球がLEDです。環境にもよりますが、10年以上使用することが可能な場合もあります。消費電力も少なく、長期使用の場合はLEDの方がコスト削減につながります。しかし、光の質は直進的なので、照らす範囲が狭くなってしまいます。設置場所によっては明るさ補正としてあまり役立たないこともあるので注意が必要です。
それに対して、ハロゲンランプと呼ばれる電球は、広範囲を照らすことができます。消費電力が高く、コスト面ではLEDより高くついてしまいますが、より高い防犯効果が期待できます。
設置している防犯カメラが広範囲を撮影するものである場合は、ハロゲンランプがオススメです。
コスト削減しながら防犯カメラとライトを併用するには
ここまで、防犯カメラとライトの併用でセキュリティ強化をすることをすすめてきました。しかし、電気代などの費用がかさむので防犯カメラだけで良いや、と思ってしまう方もいるでしょう。
そこでオススメなのが、ソーラーパネルタイプのセンサーライトです。
人の動きにセンサーが反応して点灯するので、消費電力の削減や威嚇効果が期待できるセンサーライトですが、ソーラーパネルタイプを使用すれば電気代が0円ですみます。コンセントなども不要なため、電源確保が難しい屋外設置にも最適です。
例えばRD-3533
このソーラーパネル式センサーライトはセンサーの検知範囲やモードを調整することができます。使用電球はLED、明るさは白熱電球の約30W に相当します。取り付けは付属のネジとクランプを利用し簡単に設置することができます。
ライトとソーラーパネルが別々なので、日当たりの良い場所にパネルを、威嚇効果がある場所にライトを、と離して設置することができます。
その他、Chortau TBD-02FB
こちらはライトの上部にソーラーパネルがついています。206個のLEDライトを搭載しているため、照明効果は抜群です。センサーモードだけでなく、低照度防犯カメラにとの併用にも役立つ「低照度センサーモード」もあります。常時点灯モードも選択できるため、用途に合わせてモード切り替えが可能です。
また、点灯時間や人に反応するまでの距離を調整できる防犯ライトや威嚇効果の高い赤色LEDが24時間点滅するものなど、様々なタイプのライトがあります。
センサーライトの併用は、暗闇に弱い防犯カメラの明るさ補助だけでなく、こうしたセンサーライトの機能で人感知を補うこともできます。
必要最低限の機能が備わった防犯カメラを使用し、センサーライトで不足を補うことはコスト削減にもつながります。わざわざ、高額な高機能防犯カメラを購入しなくても十分な防犯対策ができると思うとお手軽な方法ですね。
設置環境や予算に合わせて、防犯対策も工夫していきましょう。
ライトと一体化した防犯カメラ
ライトと一体化した防犯カメラには2つのタイプがあります。
1つ目はセンサーライト機能が搭載されている防犯カメラ、2つ目はセンサーライトにカモフラージュした防犯カメラです。
どちらも、防犯カメラとライトを別々に設置する必要がないので、とても手軽なのですが、この2つは用途が大きく異なります。
センサーライト機能が搭載された防犯カメラの場合は、比較的威嚇効果が高く、見た目も威圧感があるタイプが大多数です。防犯カメラと連携してライトの効果を発揮するので、撮り逃しなどを防ぐことができます。一体化しているので、センサーライトが明るすぎて防犯カメラの映像に支障が出るという問題も発生することなく、高画質な映像を記録することができます。
盗難や不法侵入など、抑止力を強めて未然に犯罪を防ぎたい場合にオススメのタイプです。
それに対して、センサーライトにカモフラージュした防犯カメラは、見た目で防犯カメラと気づくことはありません。よって犯人は、威嚇というより便利アイテムとしてセンサーライトを使用していると判断することが多いです。
威嚇効果は期待できず、抑止力には繋がりませんが、何度も同じ被害にあっている場合、犯人を特定することに役立ちます。
例えば、ゴミの不法投棄や郵便物などの嫌がらせ行為が続いている場合は、犯人に気付かれないよう証拠映像を撮影し、犯人を特定することができます。
このようにライトと防犯カメラが一体化している場合は、防犯効果に違いがあります。抑止力として使用したいのか、犯人特定に使用したいのか見分けて適切な防犯カメラを選択しましょう。
おわりに
防犯カメラとライトを使用した防犯対策、最適な方法は見つかったでしょうか。
ポイントは以下の4つです。
自転車泥棒にはセンサーライトではなく防犯カメラで対策をしよう
暗闇に弱い防犯カメラはライトで明るさを補おう
防犯カメラとソーラー充電のライトを併用してコスト削減をしよう
ライトと一体化した防犯カメラは、防犯目的を見極めてから購入しよう
セキュリティを強化するには様々な方法があります。
単純に、高機能・高性能といった機能性だけで防犯カメラを選ぶのではなく、センサーライトを併用することもセキュリティ強化の1つの手段です。
決められた予算や防犯目的に最適な対策を取れるよう、工夫をしながら防犯カメラを使用しましょう。