監視カメラと防犯カメラの違いをご存じですか。
監視カメラと防犯カメラには、それぞれ使用目的や設置場所に違いがあります。
一方、使用目的や設置場所が異なるにも関わらず、監視カメラと防犯カメラは商品としては全く同じものでもあります。
今回は、監視カメラと防犯カメラの使用目的の違いや設置場所の違い、機能の違いについてご紹介します。
監視カメラと防犯カメラの違いは使用目的にあり
監視カメラと防犯カメラの違いの一つは、使用目的にあります。
監視カメラの使用目的は「事件が起きたとき、詳細な映像を取得する」ことにあります。
一方、防犯カメラの使用目的は、「犯罪を防ぐ」ことにあります。
監視カメラは小さいサイズで目立たないものが多いです。
監視カメラは事件発生後に映像を取得するためだけではなく、自然災害時における監視や、交通量の測定、河川・ダムの水量を測定する監視にも利用されています。
監視カメラの中にはサーモグラフィの機能が付属したものもあり、温度測定のために利用されることもあります。
防犯カメラは防犯のために設置しており、住んでいるマンションや近所にあるコンビニ・スーパーに設置されているのは防犯カメラです。
防犯カメラを設置することで、犯罪の抑止や犯罪の防止に役立ちます。
防犯カメラは目立たせた方が効果を発揮すると考えられており、誰が見てもすぐに防犯カメラであるとわかるような、威圧的なカメラを設置することが多いと言われています。
防犯カメラは近くを通った不特定多数の人物を撮影し、その映像から個別の識別をすることができます。
そういった理由から防犯カメラの設置は個人情報保護法に関わり、防犯カメラを設置していることを周知する必要があります。
コンビニやスーパーに防犯カメラが設置されている場合、「防犯カメラ設置中」という張り紙があるのはそのためです。
監視カメラは事件が起きたときに詳細な映像を取得するために使用され、防犯カメラは犯罪を未然に防ぐために使用されています。
使用目的という観点から、監視カメラと防犯カメラには違いがあるといえます。
監視カメラと防犯カメラの設置場所の違い
監視カメラは、その使用目的から防犯カメラに比べて小さく目立たないものであることが多いです。
さらに、設置する場所は、設置されていても気づきにくい場所であることがほとんどです。
小さく、隠されるように設置されているため、監視カメラは防犯カメラのように、犯罪を未然に防ぐ抑止力にはなりません。
しかし、事件が発生したあとは監視カメラの映像を証拠映像として利用します。
例えば、事件を起こした犯人の顔や犯行中の映像などを鮮明に映し出すことができます。
また、自然災害が起きた際に全国各地の様子を映しているのも監視カメラの映像です。
防犯カメラは監視カメラと異なり、比較的目立つ場所に設置されることが多いです。
目立つ場所に設置することで、スーパーやコンビニでの泥棒や窃盗、路上での誘拐などを起こそうとする人物に防犯カメラがあることを認識させることができます。
事件を起こそうとする人物が防犯カメラを認識すれば、犯行を思いとどまる可能性が高まります。
個人宅やマンション、スーパーやコンビニ、駐車場や公園など目にはいる場所に設置されているカメラのほとんどが防犯カメラです。
また、防犯カメラには、ダミーカメラと言われるものがあります。
防犯カメラが設置されていると思わせることができれば、ダミーカメラでも十分に犯罪の抑止力になるためです。
ダミーカメラは本物の防犯カメラに比べて安価で手に入るため、実際の防犯カメラのような機能はなくても、導入されていることが少なくありません。
一方、監視カメラは犯罪の抑止力にはならないためダミーカメラは存在しません。
監視カメラは小さいサイズのものが多く、隠れた場所に設置されます。
一方、防犯カメラは大きなサイズでわかりやすいものが多く、目立った場所に設置されます。
設置場所という観点からも、監視カメラと防犯カメラには違いがあるといえます。
監視カメラと防犯カメラの機能の違い
監視カメラや防犯カメラには、高性能の機能を兼ね備えているものがあります。
例えば、カメラ周辺に異変が起こった場合に、関係者のスマートフォンに異常発生の通知をする機能や、一定の範囲を追跡する機能が挙げられます。
監視カメラや防犯カメラと聞くと屋外に設置されているものが思い浮かびますが、最近では介護を必要とする高齢者の方を見守るためや、外出中にお留守番しているペットを見守るために屋内に設置するカメラも多く、監視カメラ・防犯カメラの使用用途は多彩です。
設置した監視カメラ・防犯カメラをスマートフォンやタブレット、パソコンと連動させることで、離れた場所にいてもリアルタイムで映像を確認できる便利な機能もあります。
音声機能や体動検知機能が搭載されているカメラであれば、監視カメラ・防犯カメラを利用して会話をしたり、行動を把握することも可能です。
さらに、夜間などの位場所でも撮影をすることができる赤外線カメラや好感度の夜間カメラ、お天気カメラなども監視カメラ・防犯カメラの機能といえます。
遠隔でカメラの向きを変えることができる機能や、人感センサーが搭載されていて人を感知するとライトがついたり、撮影したりする機能をもつカメラもあります。
監視カメラの機能にはあまり搭載されていませんが、防犯カメラにはカメラの目の前を人が通るとランプが点灯したり、カメラが動いたりする機能が搭載されていることもあります。
ランプの点灯やカメラの動作で、防犯カメラの存在に気づかせるためです。
これは、犯罪を未然に防ぐための防犯カメラ特有の機能といえます。
監視カメラと防犯カメラの機能には、大きな違いはありません。
それぞれの使用目的や設置場所に合わせ、必要な機能が搭載されています。
唯一、防犯カメラがあることを認識させるためにある機能が、監視カメラには搭載されていない、機能の違いといえるでしょう。
実は違いがいっぱい?監視カメラと防犯カメラ
監視カメラと防犯カメラの違いについてご紹介してきました。
監視カメラと防犯カメラは、使用目的が異なり、設置場所も異なります。
しかし、監視カメラと防犯カメラは、実際にはあまり違いがなく、商品としてはまったく同じものであるというような考え方もあります。
監視カメラの使用目的は「事件が起きたとき、詳細な映像を取得する」ものであり、防犯カメラは「犯罪を防ぐ」ものであるという考え方や表現の違いはあるものの、監視カメラとして販売する商品・防犯カメラとして販売する商品には定義や違いがまったくないからです。
商品として定義や違いがまったくないにも関わらず、監視カメラと防犯カメラを区別する理由は聞き手の受け取り方にあります。
例えば、「監視カメラ」と聞くと、人は理由もなく「行動を見張られている」といったイメージをもちます。
一方、「防犯カメラ」と聞くと「犯罪から身を守るために使われるもの」というような、監視カメラに比べてポジティブなイメージをもちます。
販売されている監視カメラと防犯カメラに違いはないものの、人は監視カメラにネガティブなイメージを抱き、防犯カメラにはポジティブなイメージをもちます。
スーパーやコンビニでは「防犯カメラ作動中」というような張り紙をよく見かけますが、実際には「監視カメラ作動中」の方が、強い抑止欲が生まれるでしょう。
逆に、マンションの住民会などで「監視カメラをつけよう」といった発言をすると、思わぬ反発を買う可能性もあります。
「監視カメラ」という言葉に、ネガティブなイメージを持つ人がいるからです。
正確な定義はないものの、監視カメラではなく防犯カメラと言ったほうが無難であるといえます。
商品としての監視カメラ・防犯カメラの定義・違いはないものの、使用目的や設置場所によって監視カメラであるのか、防犯カメラであるのかは判断できるといえます。
実際に監視カメラや防犯カメラを設置しようと考えたとき、どれにすれば良いのか悩んでしまうという人も少なくないでしょう。
監視カメラや防犯カメラは、ホームセンターや家電量販店のほか、インターネット通販でも簡単に購入することができます。
インターネット通販の場合、現物を見ることができず、細部までの確認は難しいため、購入時は注意が必要です。
より安心して購入したい場合は、セキュリティ会社からの購入も検討すると良いでしょう。
監視カメラ・防犯カメラには、形や大きさはもちろん、性能が異なるものなどさまざまな種類があります。
購入や設置を考えている人は、監視カメラや防犯カメラについて熟知している専門家に相談するのがベストです。
まとめ
監視カメラの使用目的は事件が起きたとき、詳細な映像を取得することであり、防犯カメラの使用目的は犯罪を防ぐことです。
その使用目的から、監視カメラは小さなサイズで隠れた場所に設置され、防犯カメラは監視カメラに比べ大きなサイズで目立った場所に設置されます。
監視カメラと防犯カメラの使用目的と設置場所には違いがありますが、機能にはそれほど違いはありません。
技術の進歩とともに、監視カメラ・防犯カメラともに高性能な機能が搭載されています。
唯一、「設置していることを知らせる機能」は、使用目的から防犯カメラのみに設置されている機能といえます。
監視カメラと防犯カメラの機能にそれほど違いがないことは、監視カメラとして売られている商品も防犯カメラとして売られている商品もまったく同じである、ということが理由として挙げられます。
監視カメラと防犯カメラには使用目的や設置場所に違いがあるものの、売られている商品としてはまったく同じものです。
しかし、一般的に監視カメラにはネガティブなイメージ、防犯カメラにはポジティブなイメージを持っている人が多いともいわれています。
監視カメラと防犯カメラは、使用目的や設置場所応じて、使い分けをする必要があるといえます。