平均を元に在宅介護費用を把握しよう

在宅介護は施設に入居するより費用がかからないといわれていますが、平均的にどの程度の金額がかかるのでしょうか。

一般的に費用が安いからという理由で、在宅介護を選択する人は多いですが、実際に在宅介護をしている人を対象にアンケートを取るとそのうちの約7割の家族が、肉体的にも精神的にもかなりの負担があると答えています。
中には、限界を感じていても何を基準に施設入居を決めれば良いかわからないという方もいます。

実際、認知症や寝たきりの高齢者の介護をする場合、在宅介護でもまとまった費用が必要となります。在宅介護は介護をする側の生活も圧迫してしまうことも確かです。期間が読めない介護に不安を感じている方も多いと思います。

介護の現場と適切に向き合っていくにはどうするべきか、費用を元に検討していきましょう。

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在宅介護にかかる平均費用

それでは在宅介護にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

自宅の改装や介護用品の購入などにかかる一時費用は、平均83.3万円。訪問介護やデイケアサービスにかようなど月額でかかる一時費用は、平均4.4万円。となっています。(生命保険文化センター 平成27年の調査より)

一時費用は、環境によっては大掛かりなリフォームを必要としませんが、小さな段差があったり玄関に段差がある場合もバリアフリーにする必要があり、全く費用がかからないケースは少ないと考えられます。
トイレや廊下に手すりをつけたり、お風呂場を滑らないように改装したりする場合も一時費用に含まれます。

身体に不自由がある場合は、医療サポート機器や車椅子、介護用ベッドなども合わせて購入する必要があり、容態が悪い状態であるほど平均費用よりもかかる金額が大きくなります。

月額費用の平均は、あくまでも新たに介護で必要となった費用の平均なので、もともと発生していた食費や光熱費などの生活費は含まれていません。トータル的に費用を検討したい場合は、この月額平均費用よりも高くなることを想定しておきましょう。

月額費用ももちろん、介護度が重くなるほど必要となる介護サービスが増えるので金額は大きくなります。

介護保険などで自己負担率を軽減していく方が大半ですが、介護保険の適応にも利用限度額があります。限度の範囲以上に受けるサービスが必要となった場合は10割負担となるため、月額費用は厳しい金額になってしまいます。

介護を必要とする高齢者の健康状態や介護環境、加入している介護保険の適応金額や限度を十分に把握した上、どこまで費用をかけることができるか考えていきましょう。

在宅介護にかかる平均年数を元に費用を把握しよう

はじめのうちは費用面に問題がなかった在宅介護でも、何年も介護期間が続くと厳しくなり、在宅介護を続けていけなくなってしまう方もいます。

介護期間の平均は5年前後といわれています。しかし、この5年というのは現在も介護を継続している人のデータも含まれているので、実際はもっと介護に年数がかかることが予測されます。

2018年の高齢者の平均寿命は男性81.25歳、女性87.32歳となっています。年々平均寿命も伸びており、2017年と比較して、男性は0.16歳 女性は0.05歳平均寿命が延びています。

平均の5年間、在宅介護をしたとすると、平均272.5万円の費用が必要となります。平均寿命が延びていることを考慮して在宅介護を10年続けたと仮定すると費用は600万円以上かかる計算となり、介護にかかる年数を元に費用を検討することはとても難しいのも確かです。

在宅介護では、家族以外の人と関わる機会が減り、外出の機会も減少するといわれています。認知症の症状は、在宅介護の方が進行しやすくなってしまうことも多く、介護度が年々重くなり費用がかさんでしまうことも予測されます。

介護には10年ほどかかることを想定して、デイケアサービスに通うなど症状が重くならないために必要サービスを積極的に受けていくことも大切です。

容態別在宅介護の平均費用

介護度によって在宅介護にかかる費用が変わるとお話致しましたが、具体的にどの程度違うのでしょうか。介護度別平均費用を元に検討していきましょう。

介護サービスへかかる平均月額費用
介護度の一番低い要介護1は、0.7万円
要介護2→ 1.4万円 ・要介護3→ 2.5万円
要介護4→ 1.7万円 ・要介護5→ 2.1万円

介護サービス以外にかかる平均月額費用
要介護1→ 2.6万円 ・要介護2→ 3.0万円
要介護3→ 3.5万円 ・要介護4→ 5.9万円
要介護5→ 5.3万円

介護度が高くなると合計平均月額費用の金額は高くなっていきますが、介護サービスの面だけ見ると、要介護4以上は要介護3より費用が安くなっています。
これは介護度が重くなると保険の適応率が上がり、事故負担額が下がるため費用が下がっています。要介護3の合計平均費用は6万円に対し、要介護4の合計平均費用は5.9万円と少し下がっています。

要介護5まで症状が重症化してしまうと、介護サービス以外の支出が多くなり合計平均費用は7.4万円と、在宅介護にかかる月額平均費用5万円をはるかに上回ってしまいます。介護サービス以外の支出は、介護度が重くなるにつれて平均費用も上がっているのも確かです。

この介護度別平均費用を元に考えると、在宅介護は介護サービスをうまく活用していかなければ費用を抑えることができないということがわかります。

介護保険は介護度別に支給限度額が決められています。限度額の範囲内だと自己負担分は1割、一定以上の収入がある場合は2割負担となっています。限度額を超えた場合は全額自己負担となり、急激に負担が大きくなってしまうので注意が必要でしょう。

ニチイの介護保険を元に検討すると、およその支給限度額は
要介護1 166,920円 ・要介護2 196,160円 ・要介護3 269,310円
要介護4 308,060円 ・要介護5 360,650円 となっています。

在宅介護というと、極力家族で面倒を見なければいけないと考えている方は多いですが、介護保険に加入し介護サービスを活用することで費用や家族への負担を抑えることができます。

全て自分達が面倒をみると責任を持つことは素晴らしいことですが、柔軟に考え専門職の力を借りることも大切です。

介護をする方の健康状態と加入する保険の限度額、利用する介護サービスにかかる費用を見比べて、そこまで負担をするか費用の面から基準を検討すると向き合いやすくなってきます。
生活を圧迫してしまうことがないよう、十分に家族と話し合って在宅介護を検討していきましょう。

平均費用以外に在宅介護で重要なポイント

在宅介護はもともと住んでいた場所で、家族が無償で介護をしたり、限られた時間だけ介護サービスを利用したりするため、施設と比較すると平均的に費用が安くなります。そのため費用の安さばかりに注目してしまう方もいます。中には、介護にかかる負担が重いにもかかわらず、無理に在宅介護を続けてしまい、親子共倒れ、夫婦共倒れという事態を引き起こしてしまうこともあります。

費用を把握することと同じように重要なのは、在宅介護にかかるリスクを知ることです。

実際、在宅介護の負担が大きく仕事と両立することができなくなり、家族の生活が困窮してしまうケースも少なくありません。介護をする家族に肉体的、精神的な負担が重くなりすぎてしまうと、体調を崩してしまうことも多々あります。改善できる体調不良ならいいですが、虐待など悲惨な事態に発展してしまうケースもあることは確かです。

在宅介護の費用を検討するのと合わせて、在宅介護でどれほどの時間を費やすことができるのか、在宅介護をすることで何ができなくなるのか、困った時代わりをお願いすることができる人はいるのか、周囲に協力をお願いすることができるのか、など自己にかかる負担も十分考慮することを忘れないようにしましょう。

在宅介護を選択する家庭の中には、高齢者自身、共同生活が苦手で施設を嫌がったり、デイケアサービスなど人と関わる介護サービスを嫌がったりする理由から在宅介護を余儀なくしている場合もあります。家族から施設の利用を勧められると嫌がってしまう高齢者も多くいるようです。

そういった場合は、ケアマネージャーに相談してみるのもいいでしょう。ケアマネージャーは、利用者が必要としている介護サービスを過不足なく利用できるように、利用者の立場に立って総合的な支援をしてくれます。第3者の力を借りて柔軟な介護環境をつくっていきましょう。

おわりに

平均費用を元に在宅介護の基準を決めていくことは大切です。利用者だけでなく家族の負担も十分に考え、相談しながら在宅介護を検討していきましょう。

ポイントは以下の4つです。
在宅介護の平均費用は施設より安いが介護度や環境によって費用が異なる
在宅介護にかかる平均年数は伸びており、費用も高くなることが想定される
介護度が重くなると在宅介護の平均費用は高くなる為、保険で負担を軽減
在宅介護の平均費用だけでなく、家族や自己にかかる負担も考慮する

在宅介護の平均費用を元に家族の経済的負担を検討することも大切ですが、まずは要介護者の貯金や年金で負担できる範囲はどのくらいか検討するようにしましょう。無理のない介護を続けていくには、自己への経済的負担を減らしていくことは大切です。

困った時は迷わず第三者に助けをお願いするなど、精神的にも経済的にも負担のない介護を心がけるようにしましょう。介護をする側の健康が、介護を必要とする高齢者の健康を支えているということを忘れずに、向き合っていくことが大切です。

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