高齢者の孤独死を防ぐためには

少子高齢化問題が深刻な日本では、高齢者の一人暮らしが増えています。高齢者の孤独死は年々増加傾向にあり、その背景は地域や近所交流の減少、地方の過疎化、格差社会など様々な問題を抱え、複雑になっています。

2019年総務省の統計によると日本における高齢者(65歳以上)の数は、3,588万人、前年に比べ32万人増加し過去最多となりました。この数は、総人口の28.4%を占めています。総人口に対する高齢者の人口割合は、1950年以降一貫して上昇しており、2040年には、総人口の35.3%を占めることが予測されます。

毎年増え続ける高齢者の数、孤独死の件数、それに伴う社会問題、私たちはこの現状とどのように向き合っていけば良いのでしょうか。

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高齢者の孤独死の原因と現状

高齢者の孤独死が増加する原因の一つに、一人暮らしの増加があげられます。高齢者の生活を男女別に見ると、65歳以上の高齢者のうち男性は5人に1人、女性は4人に1人、一人暮らしをしており、その数は今後も増加が続くとされています。このまま増加を続けると、2035年には841万人の高齢者が一人暮らしになると予測されます。

高齢者の一人暮らしが増加する背景には、未婚男女の増加や基本的な生活条件を親に依存しているパラサイト・シングルの年齢層が上がってきている問題もあります。

総務省統計局のデータによるとパラサイト・シングルの人口は2007年には262万人、2012年には305万人と増加しており、かつて20代が中心だった年齢層は30代から40代と移行しています。

パラサイト・シングルは、依存していた親が亡くなった後、社会的に孤立する可能性が非常に高く、パラサイト・シングルの高齢化に伴い孤独死も増えていることが新たな課題となっています。

孤独死に詳しい日本福祉大学の資料によると、高齢者の孤独死は生前に身の回りの衛生管理能力や人との交流機会が欠落している場合が多いとされています。孤独死の発見現場は、物が散乱した部屋で腐敗した食物と死後の異臭が漂う中で発見されるなど、尊厳が保たれた最期とは言えない状況である場合が大半を占めており、孤独死の発見が遅れる事態は深刻な問題となっています。

孤独死の原因には、定年退職を迎え社会との接点が減ってしまうことにもあります。定年退職を迎えた高齢者の一人暮らしでは、病気など緊急事態に陥った場合に周囲に助けを求めることができず、手遅れとなってしまうこともあります。

定年退職し、近所付き合いもない高齢者が意識を失って倒れても、周囲が異常に気がつかないことは多く、核家族化も高齢者の孤独死を引き起こす原因の一つとなっています。

孤独死の危険を抱えながら高齢者が一人暮らしをする理由

これほど孤独死が増加し、心苦しいニュースが報道されている中でも、高齢者の一人暮らしが増えているのはなぜでしょうか。

その理由の1つに、今の生活に不満がないと感じている高齢者が多いことが挙げられます。
内閣の「平成28年 高齢者の経済・生活環境に関する調査結果」によると、経済的な暮らし向きに心配ないと回答した高齢者は約7割、その内の80%は80歳以上の高齢者が占めています。

また、住まいに関しては高齢者の約8割が現在の住居に満足していると回答しており、その割合は年齢が上がるほど高くなっており、半数以上の高齢者が現状に不満を感じていないことがわかります。

その他、頼れる人がいないという理由も多くあがっています。
若い頃から地域社会との繋がりが薄い生活を送ったまま老後を迎える高齢者は増加傾向にあり、大多数の高齢者が社会から孤立している現状です。

近年では、高齢者の子供に金銭的な余裕がないことも、高齢者が一人暮らしをする理由となっているようです。
子供の生活を圧迫しないため、迷惑をかけないため、年金だけでは施設に入居できず子供からの金銭的サポートも難しいため、一人暮らしをしているという高齢者もいます。

高齢者が孤独死という問題を抱えながらも一人暮らしをする理由は、現状に満足しているというよりかは、一人暮らしをする以外に選択肢が残されていないからと考えることもできるでしょう。

高齢者の一人暮らしが引き起こす問題は、孤独死に限らず認知症の進行を早めてしまう問題もあります。体が動くうちは一人暮らしでも問題ないと考え社会から孤立してしまうのではなく、できる限り人とのコミュニケーション機会を増やしていく必要があります。

高齢者の孤独死を防ぐには

高齢者の孤独死のリスクを減らしていくためには、周囲の協力が欠かせません。身近な家族が支えるだけでなく、社会としてサポートしていくことが大切でしょう。

高齢化した両親とは、できる限り一緒に暮らすことが推奨されていますが、同居生活を送ることは簡単ではなく様々な困難も伴います。

認知症を患っている、もしくは健康状態が悪化傾向にある高齢者は、介護を必要とします。在宅介護はサポートする家族にも負担がかかり、今までの仕事を続けていくことが難しくなるなど、精神的負担以外に金銭的問題を抱えてしまうことがあります。

一緒に暮らしている中でも、仕事へ出かけている間、高齢者がエアコンなどの空調管理機器の操作がわからず熱中症になってしまったり、家事で目を離している間に転倒し頭を打ってしまったり、トラブルは発生してしまいます。

トラブルを極力回避するために、バリアフリーなどリフォームを試みる場合も多いですが、その費用は大きく日々の生活の中でその支払いが負担となってしまうことも問題となっています。

デイケアサービスや訪問介護などの介護サービスを利用して同居する家族への負担を軽減していくことも大事ですが、介護が必要となってからの同居は費用もかさみ様々な困難が生じてしまうことは避けられません。

家族は、高齢者の健康状態や認知症の症状が悪化してしまう前に、サークルやボランティア活動、自治体などのグループ活動に参加するよう勧めるなど、コミュニケーションの機会を提供していくと良いでしょう。

国や社会でも高齢になっても働くことができるよう、高齢者を積極的に雇用する動きが出ています。何らかの理由で一人暮らしをしなくてはいけない高齢者は、元気なうちは仕事を続けるなど社会との接点を持ちながら健康管理をしていくことで孤独死のリスクを軽減していくことが大切です。

高齢化が進み孤独死が増えている今、見守りサービスや介護施設を充実させていくだけでなく、高齢者が孤立しない環境や社会と接点を持ち続けることができるような体制づくりが重要です。近所の高齢者には、挨拶などの声かけをするなど個人の工夫が孤独死という悲しい現状を救うことにもつながっていきます。高齢者の現状を正しく把握し、今後の社会問題と向き合っていきましょう。

自力で生活したい高齢者の孤独死を防ぐには

高齢者の中には、人とのコミュニケーションが苦手で、社会と接点を持つようなボランティア活動やグループ活動を好まない方もいます。高齢者の雇用も増えているとはいえ、やはり身体的な負担を考えると仕事を続けていくことが困難であったり、返って心的ストレスを感じてしまうこともあります。

高齢者の孤独死は、そういったコミュニケーションが苦手で一人の暮らしを好む人に多いのも確かです。

一人暮らしを好む高齢者は、高齢者向け住宅に住むことで孤独死などのリスクを軽減することができます。

高齢者向け住宅は、介護を必要とする高齢者が入居する老人ホームとは異なり、自立している高齢者を多く受け入れています。多くは賃貸借契約となっており、65歳以上の高齢者や60歳未満で介護が必要とする高齢者を対象に貸し出されています。

高齢者向け住宅は、高齢者の居住を安定させることも目的としているため、一般的な賃貸住宅のように高齢者でありことを理由に退居を余儀なくされたり、入居を断られたりすることがなく、契約更新もありません。

建物はバリアフリーに対応し、日中は医療や介護の専門相談員がいます。入居者の安否確認や生活支援サービスも充実しており、孤独死の心配もありません。

高齢者向け住宅は自力で生活していくことが中心で、本人の希望に合わせてサポートを選択することができます。一人暮らしを好む高齢者は、暮らしやすい環境に引っ越すと考えこのような施設を利用していくと良いでしょう。不便さゆえに乱れてしまう生活環境も整えていくことができます。

コミュニケーションが苦手な高齢者に、無理な仕事やボランティアをさせるのではなく、個人の意思を尊重しながら適切なサポートをすることで孤独死の危険を回避していくことが大切です。

施設によって設備内容は異なりますが、生活を中心とする高齢者向け住宅にもコミュニティー設備が用意されています。例えば、温泉、レストラン、カラオケルーム、シアタールームなど、入居生活に慣れてきた高齢者が入居者同士でコミュニケーションをとっていけるような工夫が施されています。

施設によっては夫婦で暮らせる広めの居室もあります。高齢者の需要に合わせて施設を選択すると良いでしょう。

おわりに

高齢者の孤独死を減らしていくには様々な方法があります。
家族は高齢者の意思や健康状態を踏まえながら最適なサポートをとっていくようにしましょう。

ポイントは以下の4つです。
高齢者が社会から孤立することで孤独死のリスクが増加する
一人暮らしの高齢者と孤独死の件数は増加傾向にある
高齢者の孤独死を減らすために家族や社会はサポートする必要がある
一人暮らしを好む場合は高齢者住宅に住むことで孤独死のリスクを軽減

孤独死の問題と向き合うのは、家族だけとは限りません。高齢者自身も前向きな生活を送っていくため、元気なうちから対策を考えるなど問題と向き合っていく必要があります。高齢者自身が問題と向き合っていけるよう、地域や社会でサポートしていくことが大切です。

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