高齢者の一人暮らしで起きる問題を把握しよう

現在日本では高齢者の一人暮らしが増加しています。
高齢社会白書のデータによると、2019年の時点で高齢者の数は3,515万人、日本の全人口27.7%を占めており、そのうち約656万人(2016年の統計)の高齢者が一人暮らしをしています。

一人暮らしをする高齢者の割合は2040年には男性20.8%女性24.5%になり、このままでは増加に歯止めが効かなくなることが予測されています。

近年、日本では孤独死の件数も増加傾向にあり、新たな社会問題となっています。高齢者の一人暮らしの増加は、そういった社会問題を深刻化させるのではないかと懸念されているのも確かです。最近は、孤独死を避けるため高齢者が入居できるマンションが減少するなど、高齢者にとっても生活に困窮する事態となりつつあり、問題は複雑化しているのが現状です。

少子高齢化が進む日本で、このような社会問題とどのように向き合っていくか、国民一人一人が考え対処していく必要が出てきました。
それではどのように対策をしていけばいいのでしょうか。
項目ごとに検討していきましょう。

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高齢者の一人暮らしと社会問題

まずは高齢者の一人暮らしに伴う社会問題を検討していきたいと思います。
近年、高齢者の一人暮らしが増加したことによって孤独死が問題視されるようになりましたが、注目すべき社会問題は多く、他にも様々な問題を抱えています。

孤独死の問題以外には、「高齢者による犯罪」や「消費契約のトラブル」が増加傾向にあります。

内閣府の「高齢化の状況」報告書によると近年高齢犯罪者の増加が著しく、平成11年と比較すると検挙人員はやく3倍、犯罪者率では2.3倍となっています。

平成19年の東京地方検察庁の調査結果によると、犯罪性が進んでいる者ほど単身者が多く、家族や親族以外との接触がない意図が多いとされています。また、低収入の人や過去に安定した就労についたことがない人も多く、経済的に不安定であることもわかっています。

高齢者が引き起こす犯罪の約3割が再犯ですが、社会的な孤立が犯罪を繰り返す要因の一つとなっているようです。

実情、年金だけでは生活していけないと悩みを抱えている高齢者は多くいます。貯金がないものや社会保険に加入せず低所得で生活してきた者の老後生活は厳しく、生活のため万引きをしたなど小さな犯罪をなんども繰り返してしまう高齢者もいます。周囲に頼れる人もなく、孤立しているため、高齢者に向けた支援制度があることもわからず犯罪の勧誘にのってしまうこともあります。

中には、振り込め詐欺の被害にあって財産をなくした高齢者が、詐欺に協力したら取られたお金が返ってくるという話にのってしまい、犯罪を犯してしまうケースもあります。こうした勧誘の問題は、犯罪へ巻き込むほか、多くの生活困窮者を生み出しています。

高齢者を狙った訪問販売や電話勧誘販売の消費契約トラブルは後をたちません。一人暮らしをする高齢者の孤独感につけこんだり不安をあおったり、親切を振る舞い信用させて高額な商品を売りつける悪徳商売は、高齢者の生活を困窮させています。

相談できる人や不要なものを購入したことに気がつく人が周囲にいれば、被害の防止や拡大を防ぐことができるのですが、高齢者の一人暮らしを狙ったケースが多いため、なかなか問題解決につながっていないのが現状です。

高齢者の一人暮らしで起きる孤立は、社会問題を複雑化させていることがわかります。高齢者が社会とつながりを持てるような手段を考えていくことが大きな課題となっています。

高齢者本人に起きる一人暮らしの問題

深刻なのは社会問題だけではありません。
高齢者の一人暮らしには、本人の健康状態にも大きな問題を与えます。

例えば、認知症は孤独を感じる人ほどリスクが高くなるといわれています。
一人暮らしの高齢者が認知症にかかると、ゴミ出しのルールを守れなくなったり、物を盗まれたなどの被害妄想をしたりという症状が原因で近隣とトラブルを起こすことが多くなってしまいます。

事態が悪化した場合は、退居を余儀なくされたり、最悪な場合は認知症の高齢者が暴行や放火といった犯罪を引き起こしてしまうこともあります。

同居人や周囲に関わる人がいれば、認知症の可能性に気がつくことができますが、孤立した一人暮らしでは異変に気がつく人がいません。近隣とトラブルを引き起こした時には、かなり認知症の症状が進行している場合が大半です。

認知症の高齢者が一人暮らしをするのは、様々な問題を引き起こすためリスクを負いたくない賃貸経営者は極力早い段階で退居を判断します。詐欺にあい生活が困窮している状態で家賃滞納をしてしまったとしても賃貸経営者は認知症と判断し、退居を余儀なくされてしまうこともあります。

高齢者の一人暮らしで生じる問題は、認知症の進行だけでなく、低栄養に陥り健康状態を悪くしてしまうこともあります。一人暮らしをしていると食事の内容や量に気を使わなくなり、食に対する意欲が低下してしまう高齢者は多くいます。食に対する意欲が低下すると急激に健康状態が悪くなり、ひどい場合は老衰状態に陥ってしまいます。

買い物に出かける頻度も減り、病院に通うことすら困難な状態に陥り、さらに孤立状況が深刻化していきます。そうした意欲の低下による健康状態の悪化は、老人性うつ病を引き起こすこともあり、ひどい場合は自殺を試みてしまうケースもあります。こうした高齢者の一人暮らしによる健康状態の悪化が、結果的に孤独死へとつながっているのも確かです。

高齢者が一人暮らしのリスクを抱えながら生活する理由

高齢者の一人暮らしには多くのリスクが伴います。なぜ、そこまでのリスクがあるにもかかわらず、一人暮らしの高齢者が増加しているのでしょうか。

高齢者が一人暮らしをする理由に、頼れる人がいない、今の生活に不満がないなどの意見が多くあがっているようです。

平成28年内閣府の調査結果によると、経済的な暮らし向きに心配ないと回答している割合は64.6%と全体のやく3分の2を占めています。その内の、49.6%は「あまりゆとりがないがそれほど心配もない」と回答しています。

「ゆとりがあり、心配ない」と回答した割合は15%なので、好んで一人暮らしをしているというよりかは、一人暮らしになってしまった現状を維持しているといった印象が強くあります。

近年は、「生涯未婚率」という一度も結婚をしたことがない人の割合も増えています。家族を持たない人がそのまま高齢者になり、今まで通りの生活を続けているケースも少なくありません。未婚のまま恒例になった人は、家族を頼るということが難しく、施設を利用するには費用がかかるので一人暮らしを続けているというという方もいます。

また、一人暮らしの高齢者は女性の方が多く、配偶者と死別し経済的な理由から一人暮らしを余儀無くされている方もいます。

平成28年度の内閣府調査によると、地域での社会的活動に対し「特に活動していない」と回答する高齢者は69.9%を占めており、大多数の高齢者が孤立していることがわかります。

高齢者が社会と関わりを持つ機会があまり頻繁に提供されていないという現状もありますが、本人自身が孤立する危険性を把握していないというのも高齢者の一人暮らしが孤立する理由の一つとなっています。
確かに、高齢になってから新たに生活環境を変えたり、新たに人間関係を気づいていったりするのはとても困難であり、高齢者にとってとても負担のかかることです。大きな問題もなく、生活をすることができたら一人暮らしの環境を変える必要性を感じない高齢者もいるでしょう。高齢者の一人暮らしが抱えているリスクを正しく知って、向き合っていくことが大切です。

施設などに頼らず自立して生活していきたいという意思がある場合は、定年退職後の生活環境をどうするかなど、高齢になる前に老後の生活について考えていかなければいけないでしょう。

高齢者の一人暮らしを支えていくには

高齢者の一人暮らしを支えるには周囲の力が必要です。
各自治体では、一人暮らしの高齢者に向けて「外出支援」「イベント開催」「金銭管理」「緊急通報システム」「安否確認」など様々なサポートを行なっています。住んでいる地域の福祉窓口に相談し、必要なサポートを受けるようにしましょう。

地域包括支援センターでは、社会福祉士、保健師、ケアマネージャーなどが常駐しており、介護や医療、保健福祉といった専門的なサポートを受けることができます。

自ら進んで相談しにいくことも大切ですが、地域や家族が一人暮らしの高齢者にサポートを受けるよう勧めたり、声かけをしたりする必要もあるでしょう。
例えば、賃貸経営者は高齢者の受け入れを一概に拒否するのではなく、支援サポートを受けることを条件とすることで、高齢者の生活を支えていくことができます。

一人暮らしの高齢者が孤立しない環境をつくっていくには、本人前向きな意思と周囲の協力が必要不可欠となるでしょう。

おわりに

一人暮らしをする高齢者の抱える問題は、高齢者だけの問題ではなく社会的に向き合っていかなければいけない問題です。
一人一人がリスクと現状を把握し、老後の生活について考えていく必要があるでしょう。

ポイントは以下の4つです。
高齢者の一人暮らしは孤独死の他、犯罪やトラブルなども増加させている
一人暮らしは高齢者にとっても認知症や健康状態悪化のリスクがある
高齢者にとって生活環境の変化は負担となる為、一人暮らしを続けている
高齢者の一人暮らしを支えるには周囲の協力が必要不可欠

マイナス面ばかり気にせず、前向きに高齢者の一人暮らしと向き合っていきましょう。

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