高齢者の見守りシステムとは、離れて暮らす家族の状態を確認しサポートする組織や制度のことをいいます。
高齢になった両親が心配であるものの、仕事や家庭環境などの事情で同居することができない方もいます。最近は見守りシステムも多様化し、訪問や電話での安否確認を中心に行う見守りシステムだけに限らず、センサーやIoT機器を活用して高齢者の生活を日常的に見守るシステムなども増えてきました。
それでは具体的に、どのような見守りシステムがあるのでしょうか。
項目ごとに紹介していきたいと思います。
高齢者見守りシステムの選び方
具体的な見守りシステムを紹介する前に、まずどのようにして高齢者の見守りシステムを選んだらよいか、考えていきたいと思います。
まず、第一は、高齢者が取り入れやすいものを選ぶ必要があります。
高齢者本人ではなく家族が代わりに見守り機器を設置しても、操作が複雑な場合や日常生活になじまないものは、あまり使われず放置されてしまうことがあります。
例えば、電子ポットを活用して高齢者の見守りをするシステムは昔からあり、取り入れやすく操作が簡単な機器ですが、元々電子ポットを使う習慣がない方にはあまり見守りの効果が期待できません。
利用する高齢者の生活環境には何が一番適しているか考慮した上、見守りシステムを検討するようにしましょう。
また、見守りサービスは、介護保険外のサービスとなってしまうことが大半です。見守りシステムを使用するうちに、費用が負担となってしまうことはよくあります。購入をする前に、初期費用、月額費用、緊急時のオプションはどのくらい費用がかかるのか細かく予算を検討し、見守りシステムを選びましょう。
アルソックの高齢者見守りシステム
アルソックの高齢者見守りシステムは、家の中、家の外、介護の3つに分類されています。
家の中では急病やケガなどの健康面のサポートのほか、火災やガス漏れにも対応することができるシステムとなっています。
例えば、HOME ALSOK みまもりサポートでは、緊急時ボタンと相談ボタンがついている機器を提供してもらいサービスを受けます。
緊急時の非常ボタンは、体調が悪いと感じた時ボタンを押すだけで、ALSOKのガードマンが駆けつけます。ALSOKは全国2,400ヶ所の待機所を設けており、24時間365日迅速な駆けつけをします。体調不良や怪我のほか、高齢者を狙った悪徳なセールスや詐欺などに困った際も、緊急時ボタンで駆けつけをお願いすることができます。
家族離れた場所に住んでいると、緊急時であってもすぐ情報伝達ができない場合があります。情報伝達が不足すると治療が遅れたり、持病の対応を間違えてしまったりなどの事故が起こってしまうこともあります。
ALSOKの見守りシステムでは、そういった情報伝達不足による事故を最小限に抑えるために、あらかじめ持病や掛かり付けの病院などの情報を登録しておくことができます。救急車による搬送が必要になった場合も救急隊員への引き継ぎをALSOKにお願いすることができるので安心です。
相談ボタンは、24時間対応しているALSOKのヘルスケアセンターへとつながります。ヘルスケアセンターには看護師が常駐しており、木になることがあればいつでも相談をすることができるシステムとなっています。
主な相談サービスは、【健康・介護に関する相談や医療機関・介護施設の情報、介護福祉関連施設への取次、介護事業者の紹介。疫病予防・健康管理に関する施設紹介】となっています。専門的な知識を持った方にアドバイスをしてもらうことができるので、実用的かつ安心です。
そのほか、ALSOKの見守りシステムは、高齢者の生活環境に合わせて様々なオプションサービスを用意しています。
例えば、足が不自由などALSOKを呼び出す機器の元まで歩くことが困難な方には、首から下げるタイプのペンダント型緊急ボタンを提供しています。
緊急時の対応以外にも、家族が生活状況を把握することができるように人の動きを感知するセンサーを設置することもできます。センサーの反応情報は、家族にお知らせとして通知し、情報共有をします。
見守り情報配信サービスについては、ALSOKのHPにて詳しいシステム内容が記載されています。家族と生活状況の情報共有をしたいという方は、サービスを併用するのもオススメです。
HOME ALSOK見守りサポート以外には、位置情報履歴で居場所確認ができる小型端末を提供やALSOKグループが運営する高齢者施設の案内など、高齢者用の様々なシステムが用意されています。用途に合わせてALSOKの高齢者向けシステムを活用していきましょう。
セコムの高齢者見守りシステム
セコムでは高齢者の安否確認を中心に見守りシステムが用意されています。
生活動線にセンサーを設置する安否確認見守りサービスは、一定の時間動きが確認できない場合は異常と判断、自動的に異常信号をコントロールセンターに送ります。異常が発生した際は、状況に応じて緊急対処員が急行し、現場確認、必要に応じて消防へ通報をします。
また、日常的な行動から様子を確認するだけでなく、握るだけでセコムに救急信号を送ることができるペンダントなどもあるので、急病やケガなどの緊急時は、センサーの安否確認が反応する前に助けを呼ぶことができます。
追加オプションの「セコム・マイドクターウォッチ」を活用すると、突然意識を失って倒れた場合もセコムに自動で救急通報をすることがでます。また、一定時間身体の動きを検出できない場合も自動救急通報されるシステムになっています。さらにこのマイドクターウォッチは、歩数や消費カロリーなどの活動量データも記録するので日頃の健康管理にも役立てることができます。
高齢者の自宅や本人が見守りアイテムを装着するタイプの見守りシステム以外に、家族が状況確認できるサービスもあります。
例えば、「セコム・ホームセキュリティNEO」では、離れて暮らす高齢者宅のセキュリティ状態を確認することができます。セキュリティ状態が変更されると家族に通知が届くシステムになっているため、外出や帰宅などの動きを元に安否確認をすることができます。
外出が多い高齢者の方には、屋内屋外共に対応する「セコムみまもりホン」などもあります。専用端末の救急ブザー用ストラップを引っ張るだけでセコムに救急通報することができます。もちろん携帯電話としても使用できるので、電子機器に慣れている高齢者はセコムの駆けつけシステムに対応した見守りホンを活用するのも良いでしょう。
goo of thingsの高齢者見守りシステム
「goo of things」とは、インターネットにつながるモノとgooのパーソナライズ技術を連携させたシステムのことをいいます。
新たな家族のつながりを創ることをテーマとしてつくられているため、高齢者の見守りにも活用する方が増えています。
例えば、IoTシステムを導入した電球、「goo of things でんきゅう」は、スマホのアプリに通知される電球のON/OFF情報を元に高齢者の見守りをすることができます。電球の点灯情報で高齢者の生活リズムを把握することができるので、普段と異なる動きをした場合は早く異変に気がつくことができます。
24時間以上ON/OFFがない場合や長時間つけっぱなしの状態になっている場合は、アプリにアラート通知が届くので、離れて暮らしていても緊急時の異変にすぐ気がつくことができます。
さらに、この見守りシステムの魅力は、プライベートに配慮することができるという点です。日常生活の照明器具が見守り機器となるため、私生活に干渉したり、利用者に監視されているなどの不快感を与えたりすることなく、自然な形でさりげなく高齢者の日常生活を見守ることができます。
取り付けは、普段利用している電球を「goo of things でんきゅう」に取り替えるだけと、とても簡単です。LED電球なので長期にわたり使用することができ、ネットワーク接続をする必要もありません。また、消費電力は一般的な電球と変わらないため、電気料金が増加せず、プラスでかかるのは見守りのシステムの月額料金のみとなります。
保証期間は、自宅に電球が届いてから1年間、最低利用期間はないので、購入してから不具合が生じたり、解約料金がかかったりなど購入後の心配をしなくて済むので安心して利用することができます。
利用者に負担をかけずに見守りをしたい場合は、こうした最新家電を高齢者の見守りシステムとして活用するのもオススメです。
おわりに
見守りシステムの具体的なイメージはつかめたでしょうか。
家族環境や高齢者の生活環境を十分に考慮し、見守りシステムを選ぶようにしましょう。
ポイントは以下の4つです。
見守りシステムは高齢者が取り入れやすく、予算にあったものを選ぶ
ALSOKの見守りシステムは高齢者の安否確認の他防犯や火災などにも対応
セコムには高齢者の安否確認を中心に様々な見守りシステムと機器がある
生活に馴染みやすい最新家電製品のシステムを活用して高齢者の見守り
家族と離れて暮らしている高齢者の中には、見守りシステムを活用して安否確認をしてもらっても変わらず寂しい思いをしている方もいます。日常的に高齢者の生活状況を把握することは大切ですが、システムやサービスばかりに頼り、家族同士のコミュニケーションが減少してしまうこともあります。
見守りシステムを導入した後でも、家族のつながりを大切に直接会う機会を定期的に設けるなど、人と人のコミュニケーションも忘れず取るようにしていきましょう。