防犯カメラの録画保存時間はどう決定すれば良いのでしょうか。犯罪が起こった時に証拠となる映像を残すための機器が防犯カメラです。そのため、犯罪が起きた時にその証拠映像がすでに消去されているようでは、そもそも防犯カメラの意味がなくなってしまいます。
しかし何年も前の映像を残しておくためには管理が大変となり、目当ての映像を探す手間も一苦労となってしまうでしょう。この記事では防犯カメラの録画の保存期間や方法について解説します。
防犯カメラの録画保存期間はどう決まるのか?
それでは早速、防犯カメラの録画保存期間の決め方について解説しましょう。防犯カメラの録画保存期間を決定するためにはいくつかの要素があります。防犯カメラの録画保存期間はそれらの兼ね合いによって決まると言えるでしょう。1つずつ解説します。
防犯カメラの録画保存期間①HHDの容量
防犯カメラの録画保存期間を決定する最大の要素はHDDの容量と言っても良いでしょう。防犯カメラで撮影をする場合、一部の例外を除いてその録画はレコーダーというデバイス内部のHDD(ハードディスクドライブ)に記憶されます。そしてもし可能なのであれば、防犯カメラの録画はできる限り長く保存する事が理想と言えます。
ただし現実は容量に制限があるHDDに録画を書き込んでいるので、無限に保存するという事は不可能。HDDの容量がフルになってしまったら過去の録画を消去して上書きする必要が出てきます。そして一般的にレコーダーのHDDは容量が大きいものほど高価になる傾向があります。
したがって防犯カメラの録画保存期間を決める場合、希望の録画保存期間と予算を兼ね合わせて決めるというケースが一般的です。
防犯カメラの録画保存期間②FPSの設定
防犯カメラの録画の保存期間は基本的にはレコーダーのHDDの容量によって決定します。しかしレコーダーのHDDの容量以外にも防犯カメラの録画の保存期間を決定する条件はいくつか存在します。その一つがFPSという数値です。
FPS(Frames Per Second)はフレームレートとも呼ばれ、その動画が1秒間に何枚の静止画を使用しているのかという数値です。デジタル動画は実際に映像が動いている訳ではありません。昔のアニメーションがそうであったように、何枚もの静止画を連続して切り替えていく事によって動きを表現しています。
フレームレート、つまり1秒間に使われている静止画の数が多くなるほど動画はよりスムーズに表現されます。その反面、フレームレートを落とすと映像の動きは粗くなりますがデータの大きさは抑えられます。フレームレートを落とせば、同じ容量の中でもより長い録画を保存できるでしょう。
防犯カメラの録画保存期間③カメラの画素数
レコーダーのHDDの容量以外に防犯カメラの録画の保存期間を決定する条件としては防犯カメラの画素数もあります。画素数とは防犯カメラの画像を構成する点の数を指しています。防犯カメラの録画はたくさんの静止画によって構成されている事は解説しました。それぞれの静止画は、細かい点の集合体で出来ています。
そしてこの点の数が多いほど画像はくっきりと映る事になります。しかし画素数が多い動画は、同じ長さでも大きなデータに。しましあまりにも画素数が低い防犯カメラだと録画が粗すぎて必要な証拠が読み取れないかもしれません。
レコーダーの防犯カメラ動画の保存可能期間はHHDの容量とカメラの画素数の兼ね合いで決まります。
防犯カメラの録画保存期間④レコーダーの圧縮方式
レコーダーのHDDの容量以外に防犯カメラの録画の保存期間を決定する条件として圧縮方式も挙げられます。録画の圧縮とは、画質はそのままで動画の容量を減らす方法です。例えばMotion JPEG(モーション・ジェイペグ)と呼ばれる圧縮方式ではFPSを減らす事によって動画をストップモーションのようにします。
H.264(エイチドット264)と呼ばれる圧縮方式では、画像の中で動いている対象物のみを表示して、動いていないもののデータを省略します。このように録画の圧縮とは、録画のデータの一部を簡略化して録画のデータ容量を減らす方法です。
HDDと関係なく録画保存期間が決められるクラウドカメラとは?
このように防犯カメラの録画保存期間は基本的にはレコーダーのハードディスク容量で決定。FPSや防犯カメラの画素数、圧縮方式などによってその保存期間を伸ばす事も可能です。しかし近年、防犯カメラの録画を保存する別の方法として、クラウドカメラという防犯カメラが人気を集めています。
人気のクラウドカメラとは一体何なのか、その特徴を取り上げましょう。
クラウドカメラとは?①録画をクラウドに保存
クラウドカメラとは、専用の防犯カメラを使って録画した防犯動画をクラウドというインターネット上のサービスにアップロードできるサービスです。クラウドカメラを導入することにより、利用者は防犯カメラから遠く離れた場所からスマホやPCを使ってリアルタイムの様子を確認可能。
外出先からリアルタイムの防犯状況を確認したい場合に重宝されている防犯カメラです。
クラウドカメラとは?②録画機材不要
クラウドカメラはWiFiなどを通じてインターネット上で録画をデータ保管するシステムとなっています。そのため防犯カメラの録画保存に通常は必要不可欠であるレコーダーが不要となります。レコーダーのHDDは消耗品として通常は定期的な交換を必要とします。
クラウドカメラはレコーダーが必要ないのでレコーダーの機材費が浮く上に、レコーダーのメンテナンス料金やHDDの交換費用も不要になります。そしてクラウドカメラサービスの場合はHDDの容量に関係なく、自分が求める録画保存期間を決めて契約する事が可能です。
クラウドカメラとは?③録画をスマホ・PCで視聴可能
クラウドカメラはインターネット上で防犯カメラ録画の確認が可能。つまり外出先からスマホでクラウドのサービスにアクセスし、リアルタイムの防犯カメラの映像を確認する事ができます。また防犯カメラの角度を変えたり、映像をズームにしたりと、映像の映し方をスマホから操作する事が可能です。
そのため、外出の留守番をしている子供の状況を確認したい母親などに人気があります。また会社の本部から営業所の勤務状況を確認したいケースなどにも、レコーダーを介していない分便利な操作ができます。
クラウドカメラとは?④破損する瞬間まで録画可能
クラウドカメラはインターネット上のクラウドに録画を保存します。したがってもう一つのメリットとしてレコーダーのHDDの故障を気にしなくて良いという点も挙げられます。防犯カメラの機材の中でもレコーダーのHDDは消耗品とされ、故障する事が多い部分です。
したがってHDDの故障によって防犯カメラを録画していたにも関わらずデータが保存されていないというトラブルも考えられます。クラウドカメラの場合は防犯カメラ本体が故障したり壊されたりしない限りデータ損失は心配ありません。
故意に防犯カメラが破損された場合でも壊れる直前までは録画が残るので、器物破損の手がかり映像を残せる場合もあります。
どのくらい保存すれば良い?防犯カメラの用途別録画時間
防犯カメラの録画保存期間の決め方について解説してきました。それでは最後に施設の種別に、防犯カメラの録画保存期間の目安を取り上げましょう。これらの保存期間はあくまでも一般的な傾向として出した値です。録画の保存期間はその施設の特徴やオーナーの意向などによっても変わります。
録画保存期間①戸建住宅
防犯カメラの録画保存期間の目安、まずは個人住宅から。個人住宅において、防犯カメラ録画の保存期間は2週間ほどが目安と言えるでしょう。個人住宅では日々の異変に気づきやすいのでこの保存期間となります。したがって長期不在にする別荘などでは保存期間を長くする必要があるでしょう。
録画保存期間②マンション
防犯カメラの録画保存期間の目安、次はマンションです。マンションの防犯カメラ録画の保存期間は2週間~1ヶ月が目安と言えるでしょう。これは住人が留守にする期間を想定して割り出した日数です。マンションの防犯カメラの録画の保存期間はオーナーによって決められる場合も多いでしょう。
録画保存期間③駐車場
防犯カメラの録画保存期間の目安、駐車場では1ヶ月程度でしょう。これは車上荒らしがあってから発見されるまでの期間を想定しての日数です。したがって車上荒らしが早期に発見されやすいコインパーキングでは短くても良いかもしれません。
録画保存期間④コンビニ
防犯カメラの録画保存期間の目安、コンビニでは1週間~1ヶ月程度。全国のコンビニでは平均的のこのような保存期間となっています。
録画保存期間⑤オフィス・店舗
防犯カメラの録画保存期間の目安、オフィスや店舗では1ヶ月異常と比較的長めになります。店舗では棚卸2回分くらいが目安、オフィスでは異変に気づく事が遅れる事も見越してこのような保存期間となります。
録画保存期間⑥工場
防犯カメラの録画保存期間の目安、工場では平均的に1~2年となります。例えば食品工場の異物混入などのケースを想定するとこのような長期の防犯カメラ録画の保存が必要となります。
防犯カメラの録画時間はHDD容量や設置場所で決まる!
この記事では、防犯カメラ録画の保存期間の決め方、及び施設の種類ごとの録画保存期間の目安について解説しました。防犯カメラの録画保存期間は、予算内で購入できるレコーダーHDDの容量を基にして圧縮などで調整します。またクラウドサービスは防犯カメラの録画保存期間で契約が決められる便利なサービスです。
施設の特徴によっても、防犯カメラの録画を保存する必要期間は変わってきます。予算や施設の特性を考慮に入れて防犯カメラの録画保存期間を決めましょう。