録音機能付き防犯カメラの設置はどうすれば良いのでしょうか。最近では録音機能付き防犯カメラが普及してきています。映像のみの防犯カメラとは異なる録音機能付き防犯カメラの特徴や設置時のポイントなどを解説していきましょう。
防犯カメラは録音機能付きが常識になってきている!
セキュリティ業界ではPCやインターネットの普及後、防犯カメラのデジタル化が急速に進んできました。その中で音声録音機能を付けた防犯カメラも常識となりつつあります。ひと昔前は防犯カメラと言えば映像のみの無音タイプが常識でした。
しかし防犯カメラ映像はそこに音声が録音されていない事によって事件の重大な証拠を逃す場合があります。犯人の声質自体が大きな証拠である上に、犯人が仲間の名前や手がかりとなる場所を口走る場合もあります。録音機能付き防犯カメラの普及はかねてからセキュリティ業界の課題であったとも言えるでしょう。
インターネットを使用した防犯カメラの普及により録音機能付き防犯カメラは大きく広まろうとしています。インターネット式防犯カメラにおいては留守番中の子供の安否をリアルタイムで確認する事も多くなります。その際には子供の音声が安否確認の大切な手がかりとなってきます。
インターネットで防犯カメラの使用方法が変わるにつれて、録音機能付き防犯カメラもセキュリティ業界のスタンダードとなりつつあります。
防犯カメラの録音方法とは?
それでは早速、録音機能付き防犯カメラの説明に移りましょう。録音機能付き防犯カメラにはその録音方法によって主に3つタイプに分けられます。それぞれのタイプとその特徴を見てみましょう。
防犯カメラの録音方法①集音マイク内蔵
録音機能付き防犯カメラのタイプとして、まずはあらかじめマイクが内蔵された防犯カメラがあります。マイク内蔵型の録音機能付き防犯カメラも通常の防犯カメラと同様にレコーダーにデータを記録して確認するタイプが主流です。音声の確認はヘッドホンでもできますが、専用のスピーカーがあると良いでしょう。
防犯カメラの録音方法②集音マイク後付け
防犯カメラを録音機能付きにするには、後付けでマイクを接続する方法もあります。マイク内蔵型の防犯カメラでなくとも、マイクの端子が付いていればマイクを接続して録音ができます。後付けのマイクは天井埋込型や超小型などさまざまなタイプがあります。安価なものは1つ3,000円前後で入手可能です。
防犯カメラの録音方法③ネットワークカメラ
録音機能付き防犯カメラの中でもインターネット式防犯カメラは従来と違う使われ方をされていると言って良いでしょう。インターネット式防犯カメラでは、子供の安否や留守宅のセキュリティなどを確認する事が多くなります。この場合、スマホでリアルタイムの音声を確認する事もできるようになっています。
録音機能付き防犯カメラのメリットとは?
近年では録音機能付き防犯カメラが急速に普及しつつあります。防犯カメラの録音機能がスタンダードになりつつあるのには理由があります。防犯カメラの録音機能のニーズが高まりつつある理由を2つ挙げましょう。
録音機能付きカメラのメリット①犯人特定に役立つ
録音機能付き防犯カメラの設置が増えている理由としては、まず音声が犯人特定の証拠として有意義である事が挙げられます。事件において、犯人が口走る情報には重要な手がかりが多く含まれます。仲間の名前や拠点の住所などが主な物として挙げられます。
そしてこれらの証拠が重要になる背景としては、事件の犯人が録音機能に気づかないケースが多い事が挙げられるでしょう。例えば窃盗の常習犯を捕まえようとする場合。常習犯は当然犯行に慣れているので防犯カメラの位置を把握して死角で犯行を行う事も多くなります。
しかし犯罪の常習犯でも、防犯カメラの録音機能は見逃しているケースもあります。防犯カメラに姿が映っていなくても、事件の犯人が音声証拠を残す場合は意外と多いのです。
録音機能付きカメラのメリット②社内環境の改善
録音機能付き防犯カメラには、防犯対策以外にも用途があります。例えば会社環境の改善に使える事も大きなメリット。例えばデパートの商品売り場においての場合。録音機能付き防犯カメラであれば、店員と客の会話が音声記録として残ります。
その音声を確認する事によって客との対話に失礼はないか、敬語は的確かといったポイントを確認できます。こういった確認は後の社員研修によるマナーの改善に役立てる事ができるでしょう。また近年問題視される事が多いいじめやハラスメントの証拠としても、防犯カメラの録音は重要な証拠となります。
録音機能付き防犯カメラの注意点とは?
録音機能付き防犯カメラは近年になって普及してきました。録音機能付き防犯カメラが広まってきている背景にはここまで挙げてきたようなメリットが理由としてあります。しかし録音機能付き防犯カメラは今まであまり馴染みがない新しい機器とも言えるでしょう。そこには新しい機器ゆえの注意点も含んています。
録音機能付き防犯カメラを設置する際に気を付けたいポイントをまとめてみました。
録音機能付き防犯カメラの注意点①音との距離
録音機能付き防犯カメラを設置する場合にまず注意したいポイントは録音する位置です。今までの防犯カメラは映像のみのタイプが主流だったので、防犯カメラの設置場所も基本は録音機能なしの防犯カメラを基準に考えられています。
今までのセオリーで防犯カメラを設置すると、証拠となる音声からの距離が生まれてしまう場合があります。特にマイク内蔵型の防犯カメラの場合はこの問題が起きやすくなります。せっかく防犯カメラに録音機能を付けても、証拠となる音声が拾えないのであれば意味がありません。
場合によってはマイク後付けタイプの防犯カメラを選んで、カメラと離れた位置にマイクを設置する必要も出てきます。
録音機能付き防犯カメラの注意点②周囲の雑音
録音機能付き防犯カメラを設置する場合には、必ずしも思い通りに音声が拾えるとは限りません。この問題はマイクを高性能なタイプに変えても改善できない場合もあります。主な原因として挙げられるのが雑音。ラジオの音や大通りの車両の騒音などが他の音を聞こえなくする可能性もあります。
高性能なマイクを用いても、雑音をより大きな音で拾ってしまう可能性も。録音機能付き防犯カメラを設置する場合は、騒音の発生源を事前に調べる必要があるでしょう。また電車のガード下や広々とした屋外など、そもそも録音機能付き防犯カメラが機能しにくい場所もあります。
録音機能付き防犯カメラを設置しようとする場合は事前に録音環境をリサーチしてシミュレーションしてみる事も重要です。
録音機能付き防犯カメラの注意点③プライバシー
録音機能付き防犯カメラを設置する時に、特に注意が必要なのがプライバシーの問題です。防犯カメラを見た時に、その防犯カメラに録音機能が付いていると意識する人はあまりいません。録音機能が認識されていないという事は、プライバシーのトラブルが起きやすいという事でもあります。
洋服売り場の試着室を例に取ってみましょう。試着室の内部はプライベートな空間となるので、当然防犯カメラに映り込んではなりません。しかしそれは映像のみならず音声の問題も含んでいます。試着室で行われた会話や服を着替える音などはプライバシーと認識する事は必要でしょう。
また一般的な会話の録音であっても、その扱い方には細心の注意を要します。不用意に公表したり流出したりしないように管理が必要です。
録音機能付き防犯カメラの設置例を紹介!
録音機能付き防犯カメラが広まりつつある背景を解説し、その録音機能の使い方や注意点などを取り上げてきました。最後に、実際に録音機能付き防犯カメラが設置されている事例とその使い方について取り上げましょう。それぞれの現場でその環境に適した使われ方をされています。
録音機能付き防犯カメラ設置例①保険会社オフィス
録音機能付き防犯カメラの設置例、一件目はある保険会社のケースです。この保険会社ではいくつかの営業所において、暴れたり叫んだりする常連のクレイマーに悩まされてきました。そこで複数の営業所に録音機能付き防犯カメラを設置。恐喝行為があった際の記録を残せるようにしています。
録音機能付き防犯カメラ設置例②老人ホーム
録音機能付き防犯カメラの設置例、次は老人ホームにおけるケースです。ここでの問題は施設内に住んでいる老人同士のトラブル。コミュニティスペースにおいて大声で口論をする利用者がいるため録音機能付き防犯カメラを設置。職員室から常に状況を把握できるようにしています。
録音機能付き防犯カメラ設置例③工場
録音機能付き防犯カメラの設置例、次は工場に設置したケースです。この会社では、工場の作業状態を把握できるように本社に録音機能付き防犯カメラを設置しました。その結果、工場における機械の異常音を感知する事も多く、予想外のメリットに驚いているとの事です。
録音機能付き防犯カメラ設置例④コンビニ
録音機能付き防犯カメラの設置例、コンビニのケースも取り上げましょう。近くのコンビニにて、店員を正座させて脅すクレイマーが発生したため恐怖を訴えるアルバイト店員が出ました。人材不足のため、常に録音機能付き防犯カメラで記録を取って証拠にしています。
録音機能付き防犯カメラ設置例⑤オフィス
録音機能付き防犯カメラの設置例、最後はある会社の例です。この会社には再三セクハラや問題発言をする社員がいて、解雇を検討していました。証拠を押さえるために録音機能を付けた隠しカメラを設置。結果、充分な証拠を押さえる事に成功しました。
録音機能付きカメラには防犯以外のメリットもある!
この記事では、セキュリティの新しいスタイルとも言える録音機能付き防犯カメラについて取り上げました。録音機能付き防犯カメラを設置する事によって、音声という証拠が役に立つ場面が増えてきています。また防犯カメラには組織内の状態の把握など、防犯以外のメリットもあります。
一方で、プライバシーの問題に関しては最新の注意を払う必要があるでしょう。録音機能付き防犯カメラの特性を理解して、効果的に使用しましょう。