地震の親が高齢になってくれば介護の必要性が出てくるのは誰もが周知の事実です。もしも既に一緒に住んでいたり、近くに住んでいる街は親の介護といっても簡単に行うことができますが、親は地方に住んでいるが自分は東京に住んでいる、もしくは海外に住んでいるため介護なんて簡単にできないと言う方もいます。
今回はそんな方たち向けの遠距離介護の方法や、遠距離で介護をする際に気をつけるべき注意点などを紹介します。
遠距離介護の方法
遠距離介護といっても、親がどのような状態なのかによってその介護の方法は違ってきます。寝たきり状態で誰かが一緒に住みながら介護をしないといけないのか、軽度の認知症でまだ見守りサービスなどを利用すれば大丈夫なのかなど、様々ですが今回は一般的に言われている遠距離介護の方法を紹介します。
見守りサービス
多くの場合は見守りサービスを使用することによって自分がいない間の介護を行い、出来る限り定期的に高齢者の元へ訪ねることによって遠距離介護を行います。見守りサービスと言うものは非常に多くの種類が出ており、高齢者の行動を24時間ライブ映像で確認できる見守りカメラや、自分に代わって電話で高齢者の安否確認をしてくれる電話サービス、出かける際に持ち歩くことによって外出時の見守りができるGPSなど様々な見守りサービスを駆使しながら遠距離介護をすることが可能です。
また見守りサービスを利用すれば、介護士派遣サービスや、介護センターに入るよりも安く済ませることが可能で、見守る側も見守られる側も両方にメリットがあります。
また見守りサービスの多くは、そのサービスを通じてコミニケーションが取れるものが多いので遠距離ならではの大切なコミュニケーションが日常的に取れるいったメリットがあります。
介護士派遣サービス
介護士派遣サービスと言うのは、定期的に介護士の方に来てもらうサービスの1つで、自宅介護の負担軽減をするのに多く利用されています。こちらのメリットとしてはプロの介護士が家まで高齢者を介護しに来てくれるので、しっかりとした知識を持ち合わせているため、安心して高齢者の介護を任せることができるほか、様々なアドバイスなどももらうことができます。
しかし介護士派遣サービスのデメリットとしてはその金額が見守りサービスなどに比べて高いと言うことです。
介護をしてみればその大変さがよくわかりますが、非常に肉体的精神的な負担が多い職業であり、様々な知識を有したプロの介護をしてくれるので値段が高いのは仕方ありませんが、経済的余裕がない人にとってはデメリットといえます。また、高齢者の方が知らない人に介護をして欲しくないと思うことも珍しくなく、自分が弱った姿は家族にだけしか見せたくないと言う方がいるので、そういう人たちにとってもデメリットとなります。
介護センター
こちらは介護士派遣サービスに似ていますが、介護センターに高齢者を入れると言う手段です。介護センターに入れれば24時間数人の介護士が対応してくれるため、もちろん高額になりますが安心感などは1番高いです。遠距離介護をしていれば、もし自分が見ていない間に高齢者の方に何か起こってしまったら、といった不安が尽きませんが介護センターに入ってもらえば、そのような不安も全てなくなります
遠距離介護にオススメな見守りサービス
遠距離介護を自分で行いたいと言う方が、金銭的にもオススメなのが見守りサービスを利用することです。いくつかの見守りサービスを利用しても、介護士関係のサービスを利用するより安く済みますし、自分の目で見守りを行えるので人に委託するよりも安心できます。
見守りカメラ
遠距離介護をする場合に1番お勧めするのは、見守りカメラです。見守りカメラと言うのは監視カメラをイメージすればわかりやすいですが、監視カメラに様々な機能をプラスしたものと捉えるのが1番です。プラスされている機能の1部として、高齢者と見守りする人間がカメラを通して会話ができるコミニュケーション機能、特定の動作を登録しておけばその動作を検知してくれるセンサー、夜でもしっかりと撮影ができる赤外線撮影機能などがあります。
特にこのコミニケーション機能というのが重要で、見守りカメラだけで見守ろうとすると、見守る側はしっかりと見守れているつもりでいても、見守られる側はただ監視されているだけだと感じてしまい、あまり良い気分がしないといった意見が多いです。これは自分に当てはめて考えてみればすぐにわかりますが、家の中に監視カメラが設置してあり家族の誰かからずっと監視されていると感じてしまうのと同じです。そのため見守りカメラを通してしっかりとコミニケーションができると言う事は、高齢者のストレス軽減等に役立つため、遠距離介護をしている方は必須の機能です。
見守りセンサー
見守りカメラに次いで多いのが見守りセンサーで、見守りセンサーと言うのは高齢者が日常生活の中で必ず通る場所、トイレや寝室、リビング等にセンサーを設置することによって高齢者がしっかりと生きているのかどうかを確認することができます。例えばトイレのドアノブなどに設置しておき、1日中センサーの反動がなければ高齢者の身に何かあったのだと考えることができます。1日中トイレに行かないのはおかしいですし、寝室等にセンサーをつけておいて寝室のセンサーの反応もなければ寝室の中で動けないでいるのかなどといったことが簡単に予測できます。
見守りセンサーと言うのは非常に簡単に取り付けることができ、値段も高くないので、各部屋とすべての廊下に取り付け、見守りをする場合が多いです。
こちらは高齢者のコミニケーションなどが取れるものではありませんが、あまり監視されているといった感覚にならないためお勧めです。
宅配サービス
見守りサービスの一つで、お弁当を宅配してくれるサービスのことです。こちらを使うメリットは2つあり、人の目で高齢者の安否を確認できることのバランスの良い食事を取れると言うことです。まず人の目で高齢者の安否を確認できる件ですが、もちろん介護センターなどに入れることができればプロの目で確認することができますが、非常に高額な料金が発生してしまいます。しかしこの宅配サービスは宅配のついでに高齢者の安否を確認できるため、非常にお得です。
遠距離介護の注意点
高齢者を何らかの理由で遠距離介護する場合は、いくつかの点に注意しないといけません。遠距離介護というのが通常の介護とは違うと理解しておくことが大切です。
周りのサポートは必須
まず1番大切になってくるのが、周囲に遠距離介護をしていると理解してもらうことです。遠距離介護する場合は、見守りサービスを利用するかと思いますが、もし高齢者の異常を見守りカメラやセンサーで検知できたとしても、自分で駆けつけて何かを行う事は基本的にできません。そのため、周囲の人たちと連絡先を交換するなどして何かあったときに代わりに対処してもらうといったことが必要になってきます。高齢者自身が周囲の方とコミニケーションをとっておくことも大切ですが、何かあったときにしっかりと頼めるように見守る側も高齢者の地域の方とはしっかりとコミニケーションを取り、信頼感を深めておくことが非常に大切になります。
健康管理がしにくい
これは直接会えない遠距離介護だからこその問題ですが、カメラなどで見ている分には健康そうに見えても、実は持病等が悪化したという場合もよくあります。
一緒に住んでいれば高齢者のちょっとした違いなども容易に感じ取ることができますが、電話越しで会話をしていたり、直接高齢者と接する機会が少なければ少ないほど高齢者の健康管理っていうのはしにくくなる、という事実をしっかりと理解する必要があります。
実際に遠距離介護をしていたにもかかわらず、突然高齢者がなくなってしまったといったケースが存在し、残された家族にとってみれば前日まで非常に元気だったのに実は持病が原因で亡くなってしまった、知らないうちに体調がどんどん悪くなっていた、といったケースとなります。
そのため、健康管理のためにも定期的に高齢者のところへ尋ねることが大切になってきます。
孤独感がある
これは見守る側の問題ではなく、高齢者が感じてしまう孤独感や寂しさですが、遠距離で介護をしているといっても、一人暮らしをしている環境には変わりがないので、高齢者の方が孤独感を感じてしまいやすくなります。
そのため、遠距離介護をしていて、何の問題がないように思えても、実は高齢者が精神的には良くない場合があるので、定期的に高齢者と会う機会を設けることが大切です。
まとめ
遠距離介護で家でもその方法は様々で、基本的には自分で介護できないため経済的負担がかかってしまうこととなり、高齢者がすべて負担できない場合は、家族の誰かが負担しなければいけないことになります。また何かあったときにすぐに駆けつけられないなどのデメリットが多い遠距離介護ですが、介護センター等を利用するなどしてしっかりと対策をする必要があります。
遠距離介護というのは、まだまだ難しい部分も多く、様々な苦労や負担がかかってしまいますが高齢者がまだ介護が必要なかったり、しっかりと話し合いができる状況なら遠距離介護について事前に深い話をしておくことをお勧めします。
経済的な話だったり、介護の仕方、会いに行く頻度など高齢者の事情と自分の事情をしっかりと話し合うことが非常に大切になってきます。